45 コンセプトモデル 2

その黒いドレスを来た金髪ツインテールの女の子は対艦ミサイルと同じ様に海面スレスレを飛んだ後、身体を翻して半回転、その時に水しぶきが上がり、今度はその中から真っ赤に輝く光の塊が複数、対艦ミサイルへ飛んでいく。そして命中。しかしそれだけではない。対艦ミサイルの爆風と水しぶきが上がると、そのなかから赤い光の塊が複数、貨物船へと飛んでいく。
貨物船はファランクスで応戦してその赤い光を全てたたき落した。
その間も俺は金髪ツインテールゴスロリな少女に目が釘付けだった。これは絶対に狙っている。狙っているっていうのは偽装した貨物船を狙っているっていう意味というよりも、どっちかっていうと2次元のファン達を狙っている。アメリカ…一体どこへ向かっているの…。
「まさか…ナツコが開発したドロイドって?」
あれはドロイドなのか?
女の子に見えるんだけど。
なんか面白そうなので見物だけで無く間近で見てみよう。
俺は急降下してゴスロリ少女の近くに降りた。
近づいてみるとますますドロイドっぽくない。アンドロイドでもない。金髪ツインテールの少女は案の定、日本文化である萌えを意識している。目は大きく、身体も中学生かそれぐらい。俺と同じ様にロリっぽい身体付き、それから身長も低く、そして目はブルー。ゴスロリを意識した様なドレスだと思っていた服は意外とセクシーで、肩を露出し、胸の谷間は見え、手袋?は腕のところまであり、スカートは短く、レースの入ったストッキングを履いている。それがチラチラと風でスカートが舞い上がってガーターと黒のパンティーが顔を覗かせる。
えーっと、アメリカ人への挨拶はなんだっけ。
「は、ハロー」
その外人さんは英語で「Oh!ドロイドバスター!」と言った。アメリカでも俺の名前は知れているらしい。そして英語で「ハロー」の後に色々と何か言っているんだけど英語の成績が最下位独走中のキミカ嬢にとっては、ハローの後は何を言っているのかさっぱりわからなかった。
「あ、あい、きゃのっとすぴーく、いんぐりっしゅ」という中学の頃に「とりあえずお前は外人と出会ったらまず最初に挨拶ではなくそれを言え」と先生に教えてもらったとおりの言葉を並べて見る。
「Oh!アイムソーリー。テッキリキミカ嬢ハ英語ガ堪能ダト思ッテシマイマシター!!」
やばい。声も可愛い。っていうか俺と同じでアニメ声なんだな…。やっぱり変だよ!どこへ向かっているのアメリカさん?
「えっと、名前は何ていうの?」
と俺はその金髪ツインテール美少女のアメリカ人、いや、マリーン(米軍海兵隊員)に聞く。
「私ノ名前ハ『コーネリア・マクリントック』デス。皆ハ『コーネリア』トカ『マック』ッテ呼ンデマース!!『マッキントッシュ』トカ『アップル』トカ呼ンダリスル奴ハアノ世二行ッテ貰ッテマースッ!!デモ『ジョブズ』ッテ呼ンダ奴ハ捻リガアッテイイ感ジナノデ生カシテマースッ!!」
よくわかんないけどこれがアメリカンジョークって奴なのか。とりあえず笑っておこう。笑うときはハハハハハって笑えばいいんだよね。
「HAHAHAHAHAHA!」
「HAHAHAHAHAHA!!」
と二人で和気あいあいと話ていると、下の方から光り輝く何かが接近して俺達の正面で大爆発した。これは中国の貨物船からの対空ミサイルの一種だな。しかし、俺もコーネリアも対物バリアが展開されて無傷だ。
「トリアエズアノオカマ野郎ヲ始末シマショウ!」
「Oh!Yes!!」
俺は海外のアダルトビデオにあるような返答を真似てコーネリアのそれに答える。