39 勧誘せよ24時 2

っておいおい!!
本当に俺が釣りエサになるのかよ!!
俺は女子達に連れられそうになりながら最後の抵抗をしていた。
「ちょっ、ちょっ、待ってよ!今4月だよ?こんな格好で校門の前に立って勧誘活動するの?マジで?」
「だってキミカちゃんが一番スタイルいいじゃん」
そういう妬み的な意味も込めてのフリが入ってるのか?そうなのか?でも確かに妬む妬まない以前に、水泳部は水泳部ってイメージに沿ったような体つきの女子しかいない。それはそれでスタイルが良いと言えばそうなんだけど、ウエストは引き締まっていても肩幅が広くて、足に贅肉はないけど筋肉がびっしり…というように、本当に男心を擽るかと言えばそうではない。
「いやだからと言って水着で校門の前に立てってマジで…」
「もー」
いや「もー」じゃないでしょ。でもしぶしぶ女子部員の一人、俺に体格が似ている女子が制服をひと通り渡してくる。
ブラウスとスカートを渡されたのでそれに着替え用とするとナノカが「ちょっとまーった!キミカっち、スク水の上のブラウスとスカート着たらそれは下にスク水着てるなんて誰にもわからなくなるんじゃないの?」などとのたまう。
「え…だって寒いじゃん」
「スカートは無しね」
「えー!!」
そりゃブラウスで下半身はスク水だけ露出している女子高生が校門に立っていたら俺も興奮するけどさ、目的がスリ替わっているような気がするんだよね。気のせいかな。
かくして俺は水泳部員が全員制服に着替え終わった後、一人だけスク水の上からブラウスを羽織る(しかもボタンを止めてはだめ)という状態でまるで野獣に与えられるエサの如く校門前まで連れていかれる。