36 お泊り会 in Tokyo 5

おそらく深夜。
俺はむくりとベッドから起きる。
なんか暑っ苦しいと思ったら俺の側ではメイが寝ていたようだ。高音に発熱する小動物にしがみつかれたような夢を見た。こいつの仕業か…。
あれから散々お酒を飲んだ後、みんなして部屋に戻ってからは泥のように眠ったのではないだろうか。
俺もまだ酔が覚めてないっぽい。なんだか頭が痛いし。
「そっか、お風呂入ってないじゃん…」
なんとなくベッドで寝る前にはお風呂で汗を落としてからっていう習慣な俺はどうしてもそのまま再び眠りに付くことを生理的に許せず、タオルや着替えなんぞを持ってから大浴場へと向かうことにした。
このホテルは最上階にはさっきの夜景の素晴らしいレストランがあり、その下の階がお風呂となっていた。俺が好きな岩がゴロゴロとしている露天風呂ではなく、女が好む西洋のお風呂、例えばジャグジーのような、そういうものが案内にはあった。
そしてお風呂へと到着。
実は危うく「男」のほうのお風呂に入りそうになった。トイレはちゃんと女のほうに入れるようになったのに、今だにお風呂は気を付けないと男のほうにはいっちゃうな。だからと言って女が男風呂に入ったところであまり大変なことにはならないけど。
深夜のお風呂はさすがに人が少ないな。
ぱっぱと脱衣場で脱いでお風呂に入る。
オバさんばっかりいるのかと思ったら意外と若い女の子がいる。内風呂の湯船に肩まで浸かって頭をごろんと風呂脇に乗せてる。濡れた長い髪が風呂からあふれでたお湯の流れにそってなびいている。
俺はさりげなくその少し隣に「よっこいせ」と掛け声を言ってから腰を下ろした。
「ん?キミカ?」
その女の子のほうから聞き覚えのある声が…。
「げ、ユウカ」
「な、なんで『ゲ』なのよ…」
「いや、別に」
幼なじみと混浴か…。幼なじみっていうキーワードが凄いスケベに聞こえるのは俺だけだろうか…。むふふ。