36 お泊り会 in Tokyo 2

今回もホテルのチョイスはメイであり、そしてプロデュースもメイなのであった。つまり、これから夕食を食べるわけだけど、それがメイ好みの夕食になる事は間違いないのであった。
ホテルの屋上にあるレストランに向かう俺達。
ボーイに食事券やら飲酒免許を見せて、個室へと案内される。
他にも案内されてるお客が居た。そしてその人達は俺達との雰囲気が全然違うことに驚く。外人さんがお食事をするような時のドレスやらのあの格好で個室へと案内されていたのだ。
「ちょ、ちょっと、メイ。レストラン間違えてない?」
「え?そんな事はありませんわ。ここ来たことありますもの」
「なんだか場違いな気がするわ…」
個室に到着して部屋に入ると、そこには綺麗に食器が並べられている円テーブルと窓から広がる夜景があった。
「うわ、すっご…」
さっそく子供のように窓に貼りつくナノカ。そして窓には手形が。
「ちょっとナノカ、手形がついたじゃないの」
「げぇ、マジで…。まぁ記念っていう感じで」
嫌な記念だなぁ。
案内したボーイさんも俺達の田舎者っぷり&人様の所有物に手垢を付ける行為にドン引きしていたが、笑顔を引きつらせたまま「メニューを持ってまいります」と行って出て行く。
「ねぇ、これ高いんじゃないの?」
「それなりに…。でも値段なんて気にしていても仕方がありませんもの。せっかく中央首都まで来たのですし。ただ…やはり地元のように食品に新鮮さがありませんから、そこはご理解お願い致しますわ。コース料理でナマモノは野菜以外は出ないものを選んでいますわ」
とりあえずこのテーブルと食器(フォークとナイフがそれぞれ3本ずつある)から想像するによくわかんないおフランスとかの料理が出るんだと推測される。メニューを持ってきますと出て行ったボーイが持ってくるメニューも…。
ボーイがメニューを手に部屋に入って各人に配る。それに目を通す。
「これ、英語じゃないよ!」
という感じで、わからないメニューを渡された。
「これはフランス語ですわ」
「わかんない…。と、とりあえずこの…これ、これをお願いします」と適当なところを指さしてボーイに言うユウカ。
「とりあえず私はBカップだからBが頭についてるお酒の一番後ろの奴を選ぶね」とわけのわからない基準でお酒を選ぶナノカ。
「わたくしは『シャトー・ラフィット・ローシェルト 2045』に致しますわ」と聞いただけでも高そうなワインを選ぶメイ。
「えっと、あたしは…ワイルドターkを」
「おねえさま、そんなものはメニューにございませんわ」
「では山崎17年を」
「フランスのお酒のメニューですわ…おねえさま…」
俺は目をつむって指さしたところのお酒を注文した。