31 キャットファイト 4

俺の目の前にいるのは自らを九尾と名乗るにぃぁの変身後の姿だった…。
九尾って言っても、尻尾は2本しかないj…ん?この尻尾、よく見ると猫の尻尾ではない。にぃぁのお尻に生えている猫の尻尾の隣には犬のしっぽらしきものが生えている。
まぁいい…相手に不足はねぇぜ!
「うらぁぁぁ!!」
俺の右ストレートを思いっきりにぃぁの頬に叩き込もうとする。だがプラズマフィールドの防御壁が現れる。そこで俺の手が止まる。これ以上前にいかない!!やば!次の攻撃がくる!
にぃぁの右フック、左フック、と俺は交わし、ケリを食らわせようと身体を捻らせると地面から何か真っ黒なものが現れる。こいつも尻尾の一つなのか。さっきは2本しか見えなかったのに。蛇。蛇の尻尾だ。その長い蛇が俺の胴体をつかんだ。そのまま地面に一度叩き付けられる。クソッ!つぇぇ…
俺はグラビティブレードを出して尻尾ごと切断しようとする。が、奴はそれを察知して素早く尻尾を引っ込めた。グラビティブレードを締まってから代わりにレイルガンを取り出して奴に向かって撃ちまくる。こいつ…にぃぁは俺のレイルガンの弾を詰めで全弾弾きやがった!
「フンッ!」
縦方向に爪の攻撃がくる!
ぎりぎりで回避する俺。
地面が避けて俺の背後の車が真っ二つになった…。
なんちゅう射程距離だよ!
その食らったらイチコロの爪攻撃が縦、横、斜め、それから尻尾の攻撃も合わせるとおおよそに6連打の攻撃の嵐…攻撃こそ最大の防御ってまさにこれだろ…。こいつ、スキがないぞ!いや、スキがなくとも、攻撃が全てカウンターへと繋がる心眼道の極意、まさにここで発揮される!
どんなに頑張っても攻撃のパターンは完全なランダムじゃない。にぃぁの思考がAIだったとしてもそれは同じだ。何故なら攻撃から攻撃へとつなげるときはかならず『勢い』が生まれるからだ。にぃぁのフォームは右フックや右ストレートをする時に身体ごと動かす。つまり右ストレート、右フックの順にはこない。右がくれば尻尾か左側がくる。そして俺の眼力で見るに、尻尾での攻撃が来る前にはちょっとだけケツを空に向かって突き出す。今はそれをしてないから、左ストレートか左フックがくる!
きた!
左フック!俺はそれに合わせて右フックを放った。身体も回転させて、傾斜角バリアも展開!案の定、にぃぁの左フックはバランスを崩す。それを立て直そうとくるのは右側の攻撃か尻尾だ。だがケツは上がってない。だから右…。きた!
俺はその腕を取り、自分の方に引き寄せると身体を半回転させてにぃぁの懐に肘付きを食らわせた。
にぃぁの身体は隣の家との間にある壁の中に突っ込んだ。