31 キャットファイト 3

「ニャン!!」
にぃぁのフルスイングがまず最初に俺の首元を狙った!って、いきなり首かよ!!殺すつもりで来てるのかよ!どんだけ食べ物に執念深いんだよ!!!
俺はギリギリその攻撃を見切って身体を翻した。そしてドロイドバスターに変身。漆黒の煙が俺の身体を包みこんで、その煙が晴れたところからコスチュームが現れる。
「へへへ…本気で来いよ!!」
「フーッ!!!」
にぃぁの次の攻撃はふたたびフルスイング!俺は心眼道の構えをして腕でそれを防御。だがそれだけではない。グラビティディフレクターを傾斜角をつけて作動させ、ダメージを直撃させない。よし、うまくいっ…。
俺の背後でずしーん…って音がした。
塀が…塀が真っ二つになっr
にぃぁの左ストレート!回避!右ストレート!回避…出来ない!はぇぇぇ!!!俺は地面にひっくり返った。早く回避しないと、次の攻撃がくる!!日の光が遮られる。上空ににぃぁ!!左引っかき!回避!俺の左側の土が抉り取られる!右引っかき!回避!俺の右側にクレーターができr…え、マジ?
俺はケリをにぃぁの腹にぶち込んだ。プラズマフィールドが発生したからこれは確実に当たっているはずだ。そのケリがにぃぁを空中に押し上げたのでそれから俺の右ストレート、左フックがキマる。そして止めの回転蹴りがにぃぁのお腹に…ダメだ!ガードされた!
そのままにぃぁの身体が家の中に吹き飛んだ。
「やるじゃん!」
まだまだ俺のバリアは健在だ!
埃の中から何かが姿を表す。
にぃぁ?なのか…?
2本足でこちらに向かってくる何かが見える。
…なんか違う?
顔から黒い煙が…。
その煙は顔、身体、尻尾と包みこんで、その煙から何かが這い出してくる。いや、にぃぁだ。猫耳はその後ろにうさぎみたいな長い耳も生えて4つになり、尻尾は全部で2本…それらは全部漆黒だ。服は巫女さんが着るような…天女が着るような羽衣という奴?ただしそれは白と赤を基調としたものではなく、黒と赤を基調とするカラーの羽衣。そして漆黒の煙から登場するという設定は俺がドロイドバスターに変身した時と同じ…。
って、こいつ…俺と同じで変身出来るのか!!
明らかに声色が変わっている。
以前にぃぁだったソレは、ドスの効いた声で言う。
「我が名は九尾…」
きゅ、きゅうび…?
「虚無の漆黒よりいでし『穢れ』、禍々しき闇の作りし『悪意』、人の子の幸を喰らう『災い』、神の対角線上に位置する『呪い』、そして、我が贄を汚す貴様を無に帰す『存在』…」
おい、重度の中二病患者がいるぞ!