31 キャットファイト 1

とりあえず如月流心眼道と金剛流居合術の基本的な事は身体に叩き込んだ。問題はそれらの武術を一人の『人間』としてしか使う事が出来ないという事だ。俺にはまだ課題がある。それはドロイドバスターとしての力と武術の融合だ。
そもそもプラズマシールドやグラビティディフレクターの機能を俺が持っていても無敵状態になれるわけではない。グラビティディフレクターはインターバルがあるせいで連続して使用出来ないし、プラズマシールドは使い尽くしたら復活するまでの時間は致命的だ。バカが使えば使い物にならないのはバリアにしても他の何かの道具にしても同じことなんだ。
相手が物理的な攻撃を仕掛けてくる限りは武道は有効だ。今まで習得した様々な構えをグラビティディフレクターと融合させて、ディフレクター・シールド、そのどちらも使用最小限にしながら敵の攻撃を防ぐ。弾丸などは今までは正面から受けていたがそれを避けて弾道を逸らすようにした。バリアに傾斜角度を付けることで弾丸のエネルギーのベクトルをずらしバリアの消費を避ける。爆風についても壁で塞ぐように…酷いときは包み込むようにしていたものは避けて、他所へと逸らすようにした。
でもやっぱり…。
アスマの言っていたように俺がどんなにそんな工夫をしても実戦で経験がなければ本当に「武術とドロイドバスターとしての力の融合」が行われたのかわからない。
かと言って、そこらを歩いていればスカーレットや侍野郎、忍者野郎が居るわけでもないし…。
うーん。
軍の人に頼もうかな。
などと考えてふと、家の庭のほうを眺めていた。
日曜の午後、いい天気で暑くもなく寒くもない。そういういい気候な時には時々庭に鳥やら猫やらがやってきて、普段から人が住んでいないこの家の庭を我が物顔で占有する。つまりは、そこには猫耳、猫しっぽで制服姿の4本足で歩行する女子高生がいた。
あ、いるじゃん。
滅茶苦茶強い奴が!