15 秘密組織エルフ 1

デブの妹さんが囚われてるのはアメリカ領にある兵器研究所、という事らしいけど、どうやらそこはハワイにあるみたい。俺はデブと一緒にいったんは日本軍(南軍)の本部へ行き、そこからヘリで岩国空軍基地へ向かって、そこで装備を整えて(と言っても既存の弱い兵器を持たされてもしょうがないので、俺用の武器を使う事になると思う)、輸送機でハワイへ向かう事になる。
まず俺が案内されたのは九州某所にある日本軍(南軍)本部。
地下鉄から軍基地へ向かう便に乗り換えて、地下へ、地下へと潜るとそこに広がる空間は日本軍(南軍)基地なのだった。
「なるほど〜。テレビとかではこの地下鉄から行くっていうところはカットされてたから、新鮮だなー。こうなってたのかー」
と、俺が電車から眺めるそこは巨大な地底都市…じゃなくて、普通に壁だった。それから看板やらも何も無いみすぼらしい駅に降りる。まだまだトンネルは奥に進んでいくような感じだ。とりあえずここから本部へと向かうことになるらしい。
「キミカちゃん、一応言っておくけど、秘密だから」
「あー、はいはい。口外禁止ですね」
廊下は軍服姿の男性・女性、それに戦闘用のドロイドらしきものも行き交っている。後は迷彩服を着てる人、作業服を着てる人などなど。ミサトさん、俺、デブの順で奥に奥に進んでいく。ミサトさんは地位はそれなりに高いようで、すれ違う人はみんな敬礼をしていった。
無機質な廊下をさらに進んでいくとその先には兵器を置いてる倉庫?ガレージ?のような場所に出た。見下ろすと20メートルぐらい下には作業員が多脚戦車のメンテナンスをしているところだった。どうも本部って言っても、そういう兵器も格納している基地みたいになってるらしい。九州の某都市の下にこんな空間が広がっているなんて一般人は知らないだろうな。
「これからボスに会ってもらうんだけど、」
突然ミサトさんは足を停めて俺に言う。
「まぁ、ちょっと変わり者だけど、面食らう前に言っておくわ。変わり者だから」
「…は、はぁ」
そのガレージというかドックというか整備工場というか、そこをさらに進んで行くと少し大きな扉があって、「司令室」と書かれている。ここにボス?企業で言うところの社長。学校で言うところの校長先生がいるわけだね。
ミサトさんは扉の前に立つ。
扉はミサトさんを認識したのか、ピピッと音を立てて開いた。
部屋は暗い。
その凄い暗い奥のほうには大きな窓がいくつも並んでいて(多分、あの窓からガレージやらが見下ろせるんだと思う)差し込んでいる光を背にして一人の男が机に座っている。なんとも、俺がイメージしていた社長やら校長先生のイメージじゃないな。陰湿な、どことなく暗いというか、緊張感が漂っている場所だ。
その男は椅子に座ったまま、俺を見るなり一言言った。
「よく来たな。シンジ」
「あ?」
俺がこの男に発した第一声は「あ?」というマヌケな声だった。っていうか、シンジって誰だよ。人違いじゃねーの?