11 東アジア開放戦線 4

「それじゃあ、その『東アジア解放戦線』っていうのは今は亡き自分達の国を再建する為に頑張っている集団て事になるのかな」
「あぁ、それは日本人の都合がいいように考えているだけだお。実際は…例えば今日みたいに宝石店を襲ったり、街頭演説で日本の非武装を訴えたり、戦後の賠償をしろとか言ってたり、ヤクザとかとやってることはそれほど変わりないですぉ。まぁ、人員や兵器を揃えられるっていうところがヤクザと違うところかにぃ…」
「ヤクザか…」
「テロリストのヤバイところは、一つは警察よりも装備がいいってとこ、それから特定の国みたいな中枢がないからボスを殺したとしても次から次へと出てきてキリがないのですにゃん。後は一般人に紛れ込んでるからなかなか手を出せない」
「一般人って行っても日本人じゃないんでしょ?」
「そうだけど、中国人全部がテロリストだとかそういうワケにもいかないですにぃ。それに、日本人で彼らのお手伝いをしてる人もいるし」
「日本人が日本のテロのお手伝いしてんの?」
「まー、そのあたりは今に始まった話じゃないにぃ。ずーっと昔から日本で左翼って呼ばれてる人達の中にはそんな感じで国益に反するような事をやったりする人がいーっぱいいるんですにぃ。マネーの力なのか、頭が変に育っているのかわかんないけどにぃ」
「そういえば…あのババアも流暢な日本語話してたよ…あれも日本人なのか。はぁ…」
「ババア?」
「スカーレットって奴だよ」
「あの豊満なボデーの女の人かにぃ?」
「うん、そうそう」
「フヒヒヒヒヒッ!エロエロボディだにゃん♪」
「ああいうのが好きなんだ」
「え、別にそうではないですぉ…。まぁ男なんで一応反応するだけするにゃん。我慢してると身体に悪いにゃん。『うほっ良い女!』って感じにとりあえず素直に反応しておけば夜のオカズに困らないにゃん」
「ふーん」
「あ!…もしかして…嫉妬してるのかにぃ?ヒヒヒっ!」
「ま、まさか。嫉妬するわけないじゃん」
「嫉妬しているところも可愛いにぃぃ」
「あ〜はいはい、嫉妬してます、あーくやしいなぁ(棒」
「…(涙」
「それより変身する都度服が破けてしまうってなんとかならないかな…。なんか服以外にも財布とかも破けてお金無くなったし」
「わ、わかったにゃん…考えておくにゃん…」
「ういぃ〜しくよろ〜」
と、俺は手をぷらぷらと振ってからお風呂へと向かった。その途中で、
「うぅ…キミカちゃんがどんどん不良少女になっていくにぃ…あぁ、悔しい、悔しいけど何も出来ない自分が悔しい。他人に奪われるならいっそのこと僕が…僕がキミカちゃんの初めての相手に…」
っていうのが聞こえたような気がして、
「ん?今何か言った?鳥肌が立つような事言った?」
と聞いてみた。
デブは顔をぶるんぶるんと振ってNoと示していた。