69 風紀委員学校外出張所 7

ボスの両腕が落とされた。
間近でソレを見ていた奴等はとんでもなく強い奴が目の前にいるという恐怖でとにかくその場を離れようと後ろへ、後ろへと逃げようとする。一方で少し後ろから状況を見ていた奴等はボスが何故か倒された事を見ていて腹が立って前へ前へと進んでくる。
連中は大混乱の中にあった。
メイリンの辞書には手加減という言葉はないのか、矛を最大限に使って大暴れをして、コーネリアは暇だったのか連中が乗ってきていた車などに爆弾を仕掛けては逃げ出そうとする奴等を爆風で飛ばしていた。
まさに戦争。
こんな混乱の中でも俺とかに手を出そうとしてくる奴がいるものだ、俺は多分3人の中では弱く見えるんだろう。それか一般人にでも見れるのか、人質として使おうと思って俺に近づいてくる奴にはグラビティーブレードで額に『犬』と彫った。それでもしつこく襲ってくるので身の程知らず君は指を切断する刑を思考した。
ちなみに気絶してるユウカにちょっかいを出そうとしたバカには額に『肉』と彫った。それから俺のおっぱいを触ったあの木偶の坊野郎は額に『宇宙』と掘ってあげた。念入りに深く骨に響くぐらいに彫ったから一生綺麗な刺青が残ると思うよ。
まぁ、レイプして人身売買や人殺しをしてきた連中に対する罰としてはずいぶん軽いものだと思うけどな。
最初は5割が戦意喪失していたけども、俺達が大暴れしたせいで残りの5割も同様だった。しかし、100人も相手がいるのだから奴等が逃げ出して全部を追いかける事は出来ない。結構な数を取り逃がしてしまった。
「あら、逃げないの?」
と俺は呆然と座っている高槻さんに声を掛ける。
「おい、お前ら…覚えたぞ。お前らの顔を覚えたからな」
まだ悪態がつけるか。
「この期に及んで自分の立場が理解できてないと見えるね、キミ…今は命乞いをするシーンだよ?」
…おっと、危ねぇ!!
高槻は俺につばを吐きかけた。寸前でそれを交わす俺。危ない危ない、大変な事になるところだった。
つば攻撃をされないように俺はブレードを引っ張り出すとヤツの頬を一文字斬りした。口裂け女のように頬に一直線に切り傷が引かれて、そしてヤツの舌の先端だけが河原に転がる。
「うぅーうぅー」
うめき声を上げながら涙を流す高槻。
その高槻の顔面に回し蹴りを食らわして地面とキスさせてやった後に、思いっきりそのまま足で顔を踏んだ。そしてブレードを引っ張り出して首根っこに突きつけ、そのままヤツに顔を近づけて言う。
「あたしは汚い言葉が吐けないように細工されてるから優しく話してるけど、本当は思いっきり罵倒したいところなんだよ。そこんとこ、分かってるのかな?高槻クン。次にあたしの前に現れたら、その汚い顔の皮ひっぺがした後に殺してあげるから」
そしてニッコリ微笑んで刀を締まった。
これでユウカが言ってた「犯人を懲らしめる」という行為になったんだろうか。何となくわだかまりは残っている。桃太郎の昔話でも鬼を更生させたという結末はない。悪は滅ぼされる事になってる。
だからこの人間の屑どもにどんな制裁を加えたところで、それが彼らを更生するとは全然思えないんだよ。